| 司法書士ってなに? |
| 司法書士の業務 |
司法書士は「町の法律家」と言われています。その業務内容は司法書士法第3条で定められています。
- 登記又は供託に関する手続について代理すること。
- 法務局又は地方法務局に提出し、又は提供する書類又は電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によつては認識することができない方式で作られる記録であつて、電子計算機による情報処理の用に供されるものをいう。)を作成すること。
- 法務局又は地方法務局の長に対する登記又は供託に関する審査請求の手続について代理すること。
- 裁判所又は検察庁に提出する書類を作成すること。
- 前各号の事務について相談に応ずること。
- 簡易裁判所における次に掲げる手続について代理すること。ただし、上訴の提起、再審及び強制執行に関する事項(ホに掲げる手続を除く。)については、代理することができない。
イ 民事訴訟法(平成8年法律第109号)の規定による手続(ロに規定する手続及び訴えの提起前における証拠保全手続を除く。)であつて、訴訟の目的の価額が裁判所法(昭和22年法律第59号)第33条第1項第1号に定める額を超えないもの
ロ 民事訴訟法第275条の規定による和解の手続又は同法第7編の規定による支払督促の手続であつて、請求の目的の価額が裁判所法第33条第1項第1号に定める額を超えないもの
ハ 民事訴訟法第2編第4章第7節の規定による訴えの提起前における証拠保全手続又は民事保全法(平成元年法律第91号)の規定による手続であつて、本案の訴訟の目的の価額が裁判所法第33条第1項第1号に定める額を超えないもの
ニ 民事調停法(昭和26年法律第222号)の規定による手続であつて、調停を求める事項の価額が裁判所法第33条第1項第1号に定める額を超えないもの
ホ 民事執行法(昭和54年法律第4号)第2章第2節第4款第2目の規定による少額訴訟債権執行の手続であつて、請求の価額が裁判所法第33条第1項第1号に定める額を超えないもの- 民事に関する紛争(簡易裁判所における民事訴訟法の規定による訴訟手続の対象となるものに限る。)であつて紛争の目的の価額が裁判所法第33条第1項第1号に定める額を超えないものについて、相談に応じ、又は裁判外の和解について代理すること。
簡単に言うと、土地や建物を売買したり相続したときの所有権移転登記や銀行から土地建物を担保にお金を借りる際の抵当権設定登記など不動産の権利に関する登記、また会社の設立登記や役員変更登記など商業登記・法人登記を代理して申請したり必要書類を作成します。
また供託所への供託の代理や書類作成、訴状や答弁書などの訴訟書類作成などです。上記書類作成に伴う法律相談も行っています。
供託というのは、例えば家主から家賃の増額を請求され増額家賃でないと家賃を受けとってもらえない場合そのままでは家賃債務の不履行となってしまうので、借家人が相当と思う家賃金額を供託所に供託すれば家賃債務を履行したことになるというような制度です。
司法書士というと登記が専門と思われがちですが、それ以外にも訴訟書類作成により本人訴訟を支援したり、クレサラ被害者の救済、成年後見制度の制定を支援するなど、市民の財産や権利保護のためにさまざまな取り組みをしています。
平成15年4月1日施行の改正司法書士法では、上記の第3条第6号及び第7号に記載されているように、「簡裁訴訟代理関係業務」も加わりました。
簡易裁判所が対象となる手続きについて代理することができます。つまり、弁護士のように訴訟での代理や法律相談などが一部できるようになるのです。
ただし、この簡裁訴訟代理関係業務を行えるのは、特別研修を受講し、かつ法務大臣から認定された司法書士に限ります。
つまり、簡裁訴訟代理関係業務が行える司法書士と行えない司法書士の、二種類の司法書士がいるということになります。
| 司法書士になるには |
これは司法書士法第4条で定められています。
- 司法書士試験に合格した者
- 裁判所事務官、裁判所書記官、法務事務官若しくは検事事務官としてその職務に従事した期間が通算して10年以上になる者又はこれと同等以上の法律に関する知識及び実務の経験を有する者であつて、法務大臣が前条第1項第1号から第5号までに規定する業務を行うのに必要な知識及び能力を有すると認めたもの
司法書士試験は毎年7月に筆記試験があり、筆記試験に合格した人に対しては10月に口述試験が行われます。
試験科目は、筆記試験日の午前中に行われる筆記一次試験(択一式…憲法、民法、刑法、商法)、午後行われる筆記二次試験(択一式…民事訴訟法、民事執行法、民事保全法、司法書士法、供託法、不動産登記法、商業(法人)登記法。筆記式…不動産登記、商業(法人)登記)、口述試験(筆記試験の範囲全部が対象)です。
試験の山場は、なんといっても筆記試験です。出題される法令数が多い上に、筆記式の試験は実務に直結した内容が出題されるため、合格率が約2〜3%という難関です。そのかわり、口述試験はほぼ全員が合格できます。
ちなみに、私が合格した平成10年度の司法書士試験の受験者数は21,475人、合格者数567人、合格率2.6%でした。
法務大臣が認めたものというのは「特認」と一般的には言われているケースです。こちらも十年以上経験があるからといって誰でもなれるというものではないようです。
| これからの司法書士 |
法務局のオンライン化や規制緩和に伴い、業務形態もこれからは新しい時代に入っていきつつあります。
これまで「司法書士」と言えば登記業務中心でしたが、さまざまな新たな分野への取り組みが始められています。
裁判業務が得意な司法書士、成年後見に力を入れる司法書士、企業法務が専門で企業の顧問になる司法書士…などというように、業務が細分化され、専門性がこらからは別れていくことになるでしょう。
平成10年施行の新民事訴訟法によって新たに少額訴訟制度が設けられたりするなど、裁判制度の利用をしやすくできるようになったことから、本人訴訟を影で支えたり、弁護士が請け負わない少額な訴訟事件の代理をお願いされたりなど、司法書士の必要性は高まってきています。
多重債務による破産申立事件も不況に伴い年々増加しており、各地で司法書士による相談会が催されています。これに伴って破産申立手続や調停手続を支援する司法書士も増加しています。
また、平成12年から施行された介護保険制度、成年後見制度に先駆けて、平成11年10月1日には司法書士の有志によって「社団法人成年後見センター・リーガルサポート」が設立されています。高齢社会の到来に向けて、高齢者の財産管理の相談に取り組み、任意後見契約による財産管理支援を、弁護士とともに司法書士が担うようになっています。
そして、平成15年4月1日施行の改正司法書士法に基づき、簡易裁判所での訴訟手続きを代理して法廷で活躍したり和解や法律相談などができる新たな司法書士が続々と誕生していっています。
各地では、司法書士の手によって、市民に対する法律公開講座も種々催されています。高校、大学等へ出張してクレ・サラ問題などに関する正しい知識を寸劇等を交えて分かりやすく講義する出前教室、公民館等へ出張して悪徳商法や相続・遺言などに関する講義をするなど、若年層からお年寄りまでさまざまな世代の方に司法書士は身近な存在になっていっているのです。
このように、まさに市民のための「転ばぬ先の杖」として、身近な相談役として、司法書士の活躍の場もますます広まっていくことでしょう。
各種法律問題への取り組みによって司法書士の認知度も高まり、市民生活になくてはならない「町の法律家」として地域社会に根ざした活躍が望まれています。
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